年間スケジュール
ANNUAL SCHEDULE
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2024年1月26日(金) ~ 2月25日(日)
海外の抽象表現主義やアンフォルメルなどが日本に紹介された時、染色作家も新しい時代にふさわしい染色表現の世界を模索していきました。part1では、佐野猛夫、三浦景生、澁谷和子などの日展系作家から、反権威を標榜して独自の創作に取り組んだ麻田脩二、志村光広、モダニズム染色を追求した本野東一、また伝統工芸の世界で独自のデザイン感覚の作品を創作した森口邦彦などの抽象表現の染色作品を展示します。 -
2024年3月5日(火) ~ 4月5日(金)
素材や技法などの染色の特性に根ざして自己を表現しようと制作された造形では、従来の写生を基本とした創作とはまったく違った作品が生み出されます。美術、工芸という範疇を超えて、布に浸透していくという染料の特質を生かしながら、それまでにない独自の表現を追求する作家が出現し、その中から国際的に活躍する数多くの作家が登場してきます。そうした作家を含む、現代に繋がる世代の染色作家の抽象表現の作品を展示します。 -
2024年4月26日(金) ~ 6月2日(日)
室田泉は、写真を素材にしながら、リアルに現実に向き合うシルクスクリーン、さらにインクジェットプリントによる、鮮烈な色彩の表現を追求してきました。近年は、さらにサイアノタイププロセスを使った青色の表現で、現在と切り結ぶ作品に取り組んでいます。サイアノタイプとは、感光液を塗った布や紙を露光させて、光が当たった部分を青色に発色させる手法で、以前は建築設計図面などにも用いられ青写真ともいわれています。室田泉の表現の軌跡を辿ることで、写真と染の交わる独自の世界を紹介します。(「KG+」参加展覧会) -
2024年6月28日(金) ~ 7月28日(日)
祇園祭の宵山の時期に、山鉾町の旧家や老舗では、先祖代々伝わる美術品や調度品などを道行く人が見られるように飾る風習があり、祭を支えてきた町衆の文化を知る機会にもなっています。着物や工芸品なども飾られますが、屏風が多く飾られるので「屏風祭」の名で親しまれています。今回の展覧会では、染・清流館の所蔵品から屏風作品を選んで展示し、「現代染色の屏風祭」を開催します。 -
2024年9月6日(金) ~ 9月29日(日)
全国の染色の専攻がある美術系大学で染色を指導している教員に、卒業・修了生のなかから若手(30歳未満)の染色作家1名を推薦してもらい、新作(同年の卒業・修了制作を含む)を一堂に展示します。そのことで若い作家同士の交流や切磋琢磨の場になり、観覧者もエネルギーに満ちた新鋭の作品を通して新しい息吹を感得できます。出品作品は、美術館関係者からなる審査員が審査し、優秀作品には賞が贈られます。 -
2024年10月18日(金) ~ 11月17日(日)
染色は、布など素材に染液が浸透していくという「染まる」という現象と、蠟や糊といった防染剤を用いてそれを制御(あるいは非制御)する「染める」という行為から成り立ちます。染色作家である、舘正明(大阪芸術大学准教授)と加賀城健(金沢美術工芸大学教授)の二人を中心に、今回は、波多野小桃、皆川百合、山中彩の3名を加えた5作家によって、「染める」ことと「染まる」ことに焦点を当てた作品表現を展開します。