本野東一展 -モダニズム染色への希求-

2023年5月12日(金) ~ 6月11日(日)

本野東一氏(1916~1996)は、モダニズム建築家として知られる本野精吾を父として生まれ、モダニズムの気風のあふれる雰囲気の中で育ちました。京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)卒業後、デザイナーとしてのキャリアを経たのち、戦後、1952年から染色作家として蝋染を技法とした作品の制作活動に取り組みます。モダンアート協会生活美術部に所属し、様々な蝋染めの技法を模索・駆使しながら、一貫して染色による抽象表現を追求してきました。日展など主流であった工芸界とは一線を画し、京都ではいわば孤高の染色作家として、モダニズム染色を生涯探求したといえます。回顧展は、長年教鞭を執った大阪芸術大学での退任記念展を除くと、没後の1999年に東京国立近代美術館工芸館で開かれた「本野東一の染色 自由への旗印」が唯一のもので関西ではほかに大規模な個展などは開かれたことはありません。モダニズム染色を希求した本野東一の作品を展示して、その染色表現の世界を巡り、再評価を図ることをめざします。

出品作家名

本野東一