現代染色の屏風祭 -祇園祭によせて-

2024年6月28日(金) ~ 7月28日(日)

祇園祭の宵山の時期に、山鉾町の旧家や老舗では、先祖代々伝わる美術品や調度品などを道行く人が見られるように飾る風習があり、祭を支えてきた町衆の文化を知る機会にもなっています。祇園祭は、着物や工芸品なども飾られますが、屏風が多く飾られることから別名「屏風祭」の名で親しまれています。屏風は日本美術の代表的な表現形状ですが、その最小単位を「一扇(いっせん)」といい、これが六枚接続されたものを「六曲屏風」といいます。そしてこれが一つで「一隻(いっせき)」、対になれば「一双(いっそう)」といいます。その特徴は、屏風は曲げることでどこでも自立し展示することが可能で、実際の生活や儀式の場で使われるときには、そこが直ちに美術空間に変化します。美術館などでは描かれた表現を重視して、多くの場合「平置き」といって展示室の壁面に沿って、平に全開させて展示されます。今回の展覧会では、染・清流館の所蔵作品から二曲の屏風を中心に、四曲、六曲の屏風、約25点を展示しております。そして展示では屏風本来の展示にこだわり、各自で表現画面の変化や見え方を楽しんでいただくことも、目的としております。自分の気に入った屏風の前で、ゆっくりと畳に腰をおろして鑑賞することをお勧めいたします。

出品作家名

伊砂利彦/井隼慶人/大久保直丸/小合友之助/春日井秀大/加藤正二郎/加藤由起/兼先恵子/河田孝郎/来野月乙/黒田暢/佐野猛夫/澁谷和子/髙谷光雄/寺石正作/鳥羽美花/内藤英治/中井貞次/西嶋武司/三浦景生/皆川月華/皆川泰蔵/山本唯与志

霧の音 

大久保直丸

錦通り富小路

黒田暢

無二山上有花風来図(左隻)

西嶋武司