生命を見つめて 京都経済センター竣工記念 井隼慶人展

2019年3月1日(金) ~ 3月24日(日)

昨年の干支は戌。「これは飼犬?」と思うばかりの素っ頓狂なワンちゃん。今年の干支は亥。まるで、西洋の雑誌を切り抜いたようなワイルド・ボアでした。私のよく行くギャラリ/ブティックの歳暮に渡された色紙でした。作者は、勿論、井隼慶人氏。かと言えば、資料の送り状に付けられた、一目で判る《下仁田ねぎ》であったりしました。思わず笑ってしまいました。井隼慶人氏は蝋防染技法を学生時代から、真面目に学びました。技法を学ぶ程、その制約にいらいらしました。技法に格闘すればする程、結果は思わぬことになってゆきました。ふと気がつけば、井隼氏は制約に親近感を感じてきました。井隼氏の言葉を借りますと、「光明か、と思いました。」制約を、一種の解放感に感じました。前に述べた通り、井隼氏は洒脱なものの捉え方が得意でした。それと、自然への観察の眼と温かさを加えれば、《光明を待つ人》と言わねばなりません。作風はより自由を増し、解放感に満ち満ちています。精神性も滲み出ています。最後に、この展覧会を開きましたことに、幸せと感謝の意を表したいと思っております。

出品作家名

井隼慶人